第26回 日本山岳耐久レース(長谷川恒男CUP、ハセツネ) 2018年10月 初完走奮戦記①
初・ハセツネ&完走奮戦記に付き、長めになっております、読破するにも気合いが必要です。
「ハセツネ」と言う単語を初めて聞いて、はや10年ついに本戦にチャレンジする時がやってまいりました。
①は、エントリーから第一関門まで・・
ハセツネには、エントリー開始が6月1日(金)午前10時スタート、先着順という0次関門が有ります。
まずは、平日の午前中にエントリー出来る環境が必要です。
私はエントリー当日健康診断でした、エントリー開始10時の時点では一通りの検診が終わり、先生の問診待ちの時間帯。
実はハセツネの一週間前に開催される、村岡ダブルフル100kmに先にエントリーしてしまったので、ハセツネエントリーにはこの時点では迷いが有った。
しかし、ここでエントリー出来る環境が現れたと言う事は、神がエントリーせよ!と言っているのだ・・と、良い方向に考える。
スマホでエントリー画面を開き、見慣れた「只今混雑しています」のメッセージを何度が更新し、5分後にエントリー画面が現れたときには既に一般エントリー枠は終了しており、ふるさと納税枠という3万円程度寄付する枠しか残っていませんでした。
でも、エントリー画面が見えたからには進むしか有りません。
ポチポチ個人情報を入力し、最後の入力情報確認ボタンを押した瞬間「エントリーは定員に達しました」とメッセージ、うぉ~縁がなかったのか?と、この時点で操作は終了。
しかし、諦めきれず毎日エントリー画面を開いて「ゆずれ~る」が現れて無いか?確認していたところ、締切の2日前に「ゆずれ~る」ボタンが×から○に変わっていたのです。
キターっ!ふるさと納税枠無しでエントリー出来たのでした。
ハセツネが呼んでいる・・と感じた瞬間です。
前置きが長いですね~、徳島県から東京都あきる野市という、名前しか聞いた事の無いスタート地点へ・・
それでは、はじまり・はじまり~
2018年10月6日、台風25号襲来の影響により、出発当日搭乗予定の飛行機が欠航となった事を、前日大阪日帰りのバスの中で知る。
台風のコースは大きく外れていたし、大阪の天気も良かったので、それほど心配していなかったのだが・・。
早割を使って折角最安値の飛行機&宿泊セットを取っていたのにぃ・・と思いながらスマホを使って徳島~神戸行きのバスを取得する。
パソコンが無くてもバスの中から予約が出来るのは素晴らしいと感心。
しかし、またもや試練!
神戸行きのバスは、出発当日の朝になって鳴門淡路自動車道が強風のため欠航となった。
結局、香川県の高松への回り道コースを選択。
高松までバスで行って、マリンライナー(JR)で岡山へ、岡山からは新幹線で新横浜、そこから北上するというコースになりました。
スタートするまでにも試練が一杯です。
列車自体は全て遅れていましたが、全ての便で座れたのは運が良かったです。
夕方5時にはラン仲間の大魔王やクイーンと前夜祭の約束をしていましたが、飛行機欠航でかなり遅れるため会えないかと思いきや、わずか20分遅れで合流出来て盛り上がれました。
スマホの乗り換え案内最高です!
初対面の島田師匠、肥ちゃん、ハセツネ初心者の私を温かく迎えてくれて有り難う。
普段の飲み会でもジョッキ2杯飲んだらクラクラするのに、おもっしょい話で盛り上がったので、ついつい三杯飲んでしまい、ホテルへの帰り道は足取りがやばかったです。
しかも、カウンターに大きく貼られた【生牡蠣!!】というお品書きを見て、「生牡蠣行っちゃう?」と注文され、魚介類の苦手な私は「いや、いいです」と言ったにもかかかわらず、強制発注・大皿に山盛り出てくるものだから、食べざるを得なくて40年振りにドキドキしながら食べました。
しかし、特に体調が悪くなるわけでも無く、レースも快調に走れました。
オルニチン効果が出たのでしょうか?
本当はビールは脱水症状を誘うし、生牡蠣なんてアタったらもう大変という食べ物なのに、レースの前日なーんも気にしないこの人達。
で、そこに便乗しまった、あ・た・し。
月間平均走行距離が130kmと少ないのに完走出来たのは、ハセツネが楽なのではありません、練習内容が良かったのです。
95%が坂道練です、「走った距離は嘘を言う、掛けた負荷は嘘言わない」、私が作った格言、これを実証できたレースでした。
スタート前には、大魔王とクィーンとも再会。
物販ブースでは、岩切さん、福田さん、スタート前にははっしーと写真を撮り、みーこさんとも会えました。
それから、ハセツネを完走したという大型有名犬とも会えました。
なでると完走確率が上がるというので、しっかりなでました、ほんまに完走出来ました。
あんな大きなガタイで、崖みたいな所を上り下り出来たんやなぁと走り終えて、改めて関心。
ゴールの3km程手前で再会できてお礼が言えました。
後は長丁場なので、メンタルと事前準備も重要です。
22kmの第一関門で300人以上がリタイヤしたと聞きました。
私より走力のある人でも、ペースを誤ると水不足で次の関門までたどり着けません。
諦めたら負けです、きついと思う場面は何度も有りましたが、最後までリタイヤという考えは沸いてきませんでした。
私は初参戦なので23時間台の完走狙いではありました。
71kmの全区間で補給食の提供はゼロ、チェックポイントで、擦り傷負って「マキロン有りますか?」と聞いた女性に、「提供出来ますけど、その時点でリタイヤとなります・・」とスタッフに言われていました。
ここが、エイドが豊富なウルトラマラソン等と違う所です。
水分提供は42kmまで有りません、地図を見ると水場の印は有りますが、飲む事は許さされていませんので、体力が無い人の方が食料と水分をより多く背負わなければならないという厳しい大会。
今年は二年前に参加した大魔王から、二年前よりも更に暑いと聞き、水分を500cc余分に追加しました。
もう少し持ちたかったのですが、すでにリュックがパンパンでこれ以上入るところが有りません。
コンビニで買った200ccのミニボトルと、物販のfinetrackで粗品に貰った300ccフラスクを隙間に入れる事が出来て、第二関門まで水分不足にならず役に立ちました。
荷物が重くなれば、汗もかきやすくなります、お日様も傾き、木陰に入ってもTシャツの前面びしょびしょ、背中もハイドレーションが破裂してしまったのか?と思うほどにびしょびしょです。
汗をかけば脱水症状で脚が痙りやすくなります。
水分補給をたっぷりしたくても、42kmまでに水分が切れたらリタイヤせざるを得ないので勢いよく飲めません。
ちびりちびりとハイドレーションから飲んでいきますが、第一関門の浅間峠22km地点で2L近く飲んでしまいました、予定より500cc多いです。
第一関門では、ペール缶トイレを利用させていただきました。
身長ほどのファスナーテントの中に10L位のオイル缶が有り、そのうえに便座が乗っているだけという簡易なもので、男女兼用です。
どんどんお客さんがやって来るので、順次ペール缶の水位が上がってきます。
スタッフさんも規定水位になった缶を処理するためにマスクをしてゴミ袋を運び出しているリアルな現状を見て、「恐れ入りますぅ・・]と心の中で唱えました。
第一関門では、制限時間に2時間程度余裕が残っていてびっくりしました。
過去に走った一番長い80kmトレイルでは、第一関門ではわずか6分しか残っていなかったからです。
確かに、事前情報ではハセツネは全歩きでも完走出来るから・・とは聞いていました。
でも、24時間歩き続けられる体力というのもそれなりの練習が無いと出来ないと思っており、簡単に完走出来るとは思っていませんでした。
何はともあれ、ここで自分のペースは順調で有る事が分かったので、このままのペースで行こうと心に決めます。
おにぎりとエネルギーゼリーを一つ摂取して、今まで摂取してきたゼリーのゴミを新しいゼリーといれ替えて思いのほか長い時間の30分を使った後、再スタートです。
②へ続く